最新ニュース : 「ダンシング・ヒーロー」はDA PUMP「U.S.A.」のルーツ?- 記事詳細|

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最新ニュース : 「ダンシング・ヒーロー」はDA PUMP「U.S.A.」のルーツ?- 記事詳細|  コラム【昭和・平成ヒット曲の裏側】  ディレクター、プロデューサーとして音楽業界に関わること46年。いわゆるヒット曲も幾つか残すことができました。一般の人では知り得ない制作現場の裏側を、当時を振り返りながらお話ししていきたいと思います。  まず思い出されるのは、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」です。  実は、今年大ヒットした「U.S.A.」のDA PUMPと荻野目は同じ事務所。かつて荻野目のマネジャーも兼ねていた現社長の平さんと、先日数年ぶりにお会いしたのでこう切り出しました。 「あれ、社長でしょ?」 「わかる? あの時と同じだよね」  王道のユーロビートサウンド、キャッチーなサビのメロディー、海外曲のカバー……、「ダンシング・ヒーロー」は「U.S.A.」のルーツといえるかもしれません。 「ダンシング・ヒーロー」を世に送り出したのは1985年の11月。それまで荻野目はソロデビューして6枚ほどシングルを出していましたが、ヒットには恵まれていませんでした。曲作りは私の先輩ディレクターが担当していたのですが、いわゆる王道のアイドル路線。間違いじゃありませんが、見た目がやや地味な荻野目には合わないんじゃないかと思っていました。  その代わり声質や歌唱力は抜群。社長も小学生ユニット「ミルク」の時から荻野目の声に惚れ込んでいて、何とかトップテンに入れるのが夢でした。レコーディングスタジオのロビーで荻野目に「もっとノリ良く歌え」って指導している姿をよく見かけましたから、社長も本当はビートのきいたリズム感のある曲を求めてるんじゃないかって……。  そんなある日、社長が私の勤めている会社に遊びに来ました。遊びにっていうか営業ですよね。で、僕のデスクに来て、「髙橋さん、引き出しの中にいろいろお宝をしまってるって噂だけど、なんかない?」と言うから、少し前に原宿の喫茶店の有線で聞いて「いい曲だな」と思い、レコード店で購入したEP盤を聞かせたんです。  そしたら社長、「これいい! ぜひ荻野目に歌わせてよ!」って大興奮。その曲こそ、後に「ダンシング・ヒーロー」としてカバーされる、イギリスの歌手アンジー・ゴールドの「イート・ユー・アップ」でした。  =つづく (髙橋隆/音楽プロデューサー)